Company Head Interview 木佐森 慶一

木佐森 慶一 Company Head, assimee Company

物理学分野での論文が世界 Top 5%の評価(*1) (*1 Altmetric Score) 2016年理化学研究所研究奨励賞 機械学習の論文がトップレベル国際会議 SDM18, AISTATS2020, ECML-PKDD2020等に採択 シミュレーション×機械学習技術のリーダー NEC産総研AI連携研究室 プロジェクトマネージャー NECデータサイエンス研究所 主任研究員
・ご経歴を簡単に教えてください。 大学院卒業後は物理専攻のポストドクターとして研究生活を行っていました。 将来的には大学の先生になる予定でオファーも貰っていましたが、外の世界にも出てみたいと思い始めました。 一般採用期間も終わった真冬にNECが採用の説明会を開いていたので参加してみたところ、会社の雰囲気が良く、同じ研究者の匂いがするなと感じました。 結果的に採用して貰えたのですが、アカデミアから企業へと、専攻分野も物理から機械学習への2重変化があり、自分自身としても大変なチャレンジでした。 ・NECではどのような研究をされていたのですか。 NECでは研究所内の産総研連携研究室という所で、産総研とのコラボレーションを行っていました。その頃、学会全体としてはディープラーニングの研究に関心が集まっておりましたが、私は機械学習とシミュレーションの融合技術という当時はあまり注目されていない領域の研究をしておりました。 ・BIRDへ参加したきっかけは? NEC内での研究を積み重ねてきた結果、事業化が可能なレベルまで技術開発を進める事ができました。既定路線で言えば、NECの社内の事業部に技術を引き渡して事業を進める事になるのですが、私としては自分自身で事業化したいとの思いもあり、CTOにどのような形で世の中に成果を出すのが良いのか相談させていただきました。NECとしても新たな事業化手法を模索している状況で、CTOからも新しい形で世に出しても良いのではないかとの話となり、現在BIRDのCEOである北瀬さんにも参画いただき、BIRDを設立するきっかけとなりました。今は発起人としての責任も感じているところです。

・BIRDでの担当領域は? もともと研究者としてR&Dを見る立場でしたが、2021年の10月からはassimee事業のカンパニーヘッドという立場となりました。 R&Dだけでなくセールスまで事業全体に幅広く責任を負う事となり、プレッシャーを感じています。特に、事業開発に関しては今まで経験がなく、毎日ジェットコースターの様な新しいチャレンジの中で必死に取り組んでいる状況です。当然、一人で出来る事には限界がありますので、チームメンバーに助けてもらいながら活動を行っています。 ・事業開発の魅力は? R&Dだけでなく、営業や受注等の状況まで見る様になると、仕事で得られるものも広がってきます。 アカデミア時代、R&Dだけやっている状況では、良い技術を出せれば良かったですが、今は事業として売りモノにしてお金を稼がなければならない厳しさを感じています。良い技術というだけでは買ってくませんし、人に伝えなければ使ってもくれません。ビジネスとして成立させる為の契約関係にも気を配り、責任を持つことは今までにないチャレンジとなっています。 BIRDでは経営メンバーとして参加している一方で、事業の第1線で活動する事ができます。もともとプレーヤーとして活動する事が好きなので、今はマネジメント業務への比重を増やしつつも、両方活動できる事がBIRDの最大の魅力だと思っています。 ・現在行っているassimee事業の魅力は? デジタルツインを当たり前にしたいと思っています。 VUCAな時代、何が起こるか分からない世の中になっています。 しかし、何か状況が起きてから対処するのでは遅い事もあります。 また、SDG‘Sのように社会経済活動における環境負荷低減などがより一層求められる時代になってきています。 デジタルツインとは一般的に「リアル空間の情報をサイバー空間で再現する技術」と言われています。特に、ここ数年でデジタル空間上で様々なシミュレーションを行うことができる様になってきました。現実のものを動かして試行錯誤のではなく、デジタル空間上で最適解を見出す事で、安価に、安全に、簡単に精度の高い計画を立てる事ができる。これがデジタルツインの本質的な価値だと思っています。しかし、デジタルツインを構築するのは非常に大変な作業となってきます。また、シミュレーションの結果が現実と乖離しすぎているという問題がありました。シミュレーションは単に現実を簡略化したモデルであり、シミュレーションのモデルを現実に合わせるのは非常に難しく、またパターンも膨大となってしまうというのがこれまでの一般的な捉え方でした。 私たちが開発したassimeeはこれらを解決し、簡単にデジタルツインを構築する事ができます。また、その結果から人の意思決定を支援することができる様になります。このassimeeの広がりにより、デジタルツインが当たり前の世界になればと思っています。 現状は製造業や物流業を中心に展開を図っていますが、将来的にはビジネスプロセスのあらゆる場面で適用できるのではないかと考えています。

・BIRDの事業の特徴は? 技術開発から事業まで一気通貫して出来ることです。 研究所でもビジネス系の教育はありましたが、実際の事業の体験や厳しさは味わえません。 また、新しい技術を世に出すができるという事です。 今までになかったアルゴリズムを製品にするというは非常に魅力的です。 自分達が数式レベルから始めたものが、プロダクトとしてお客様に対価を支払っていただけるだけの価値を認めてもらえるという事はまさにR&D冥利に尽きます。自分が作った技術は自分の子供のように思う事があり、事業の苦しみが産みの苦しみと重なり、技術が世の中に認められ、評価されるのはとても嬉しい事です。産みの苦しみから、クライアントの成果になるまでを見られるのはBIRDならではだと思っています。 ・ご自身のチームをどんな組織にしてきいたいですか? ・今後、どういう人や事業者と一緒に仕事をしていきたいですか? 新しく事業を立ち上げる事に対し、大変な厳しさを感じています。しかし、チームメンバーが一丸となって効率的に活動する事で乗り越えられると思っています。事業開発は時間が限られている事が多いのでスピードと効率性が求められます。研究はチームで行う事もあるが、最終的には個人成績・個人プレーの世界です。研究で論文を出せないとしてもそれは個人の責任となります。 しかし、事業リーダーとなると、極端な場合受注できないと事業や会社が潰れる事となってしまい、チームメンバーの人生にも影響を及ぼすようなシビアな責任が伴ってきます。ですので、ものごとに対する「執着心」が必要となってきます。 私自身、これまで研究職でしたので、研究や技術開発に対する執着心はありましたが、事業開発においてはより一層の「最後までやり切る力」が求められています。チームメンバーに依存するのではなく、関係者の協力を得ながらも自らがやり抜く力を持ち、結果まで責任も持って行動できる執着心が必要だと思っています。 色々な事に好奇心を持ち、専門外の事も吸収していく、そして、最後までコミットしてくれる人と一緒に仕事をしていきたいと考えています。 今は事業をKOTORIとしてカーブアウトさせることが目標となっています。新しいチャレンジであり、自分だけでは到底達成することはできません。これまで10年間苦しみながらキャリアを積み上げてきました。しかしこれからは、様々な人からの協力を得て、個人プレーからチームプレーへと更に飛躍させていきたいと思っています。2022年10月にKOTORIとして飛び立てるように頑張っていきたいと思っています。

・プライベートでの活動は? 清水エスパルスのサポーターで、今はあまり行けていませんが昔はスタジアムのゴール裏で熱狂的に応援していた事もありました。会社の海外出張に合わせて欧州で試合を観戦していた事もあり、今でもサッカーを見るのが楽しみです。 ・サッカーの魅力は? 私自身のサッカー経験は小学生の時行っていた程度ですが、体育会系の雰囲気が好きで、大学時代には水球をやっていたりもします。 サッカーは単にスポーツであって、それがなくても基本的に人は生きていけるじゃないですか(笑)生物として見た場合、ある種無意味な事ではあると思うのですが、そこに人生を賭けて一喜一憂する事が非常に面白いと思っています。極端なですが話、仕事にも共通する部分があると思っていて、仕事がクビになっても生きていく事はできると思うのですが、それでも高みを目指す事にある種の生きがいを感じています。私自身も実はNECのプロ契約制度の第1号となっています。プロ契約という意味では、アーティスト、アスリートと根本的に同じだと思っていて、一つの領域で高みを目指す姿勢に惹かれています。